
[Sustainablebrands.comから転載] エミレーツ航空(本社・アラブ首長国連邦ドバイ)は6月4日、環境に配慮した、航空機の機体洗浄法を、ドバイ国際空港でお披露目した。同社で取り入れているのは、「エアクラフト・ドライウォッシュ」と呼ばれる方法で、洗浄に水はほとんど必要なく、水資源の節約になる。機体に汚れが蓄積された状態で飛行すると、燃料効率が悪くなるが、同法をとると、長期にわたって汚れがつきにくくなり、燃料を効率よく使うことができる。(クローディアー真理)
「エアクラフト・ドライウォッシュ」での洗浄が行われているのは、エミレーツ航空が所有する約260機の航空機だ。用いられている重質洗剤は粘り気のある水溶性で、機体表面に付いた油脂や汚れを溶かし、取り除く。洗剤は、スタッフが手作業で塗布し、マイクロファイバー製の布でふき取る。乾燥後にできる皮膜は長期間にわたり、表面を守り、光沢を保つ。一機に対し、年に3回、各回15人が約9~12時間をかけて作業にあたる。
一方、従来法である高水圧洗浄は1機につき、通常、年に4、5回行われ、毎回約1万リットルの水を要する。「エアクラフト・ドライウォッシュ」を取り入れることで、同社は年に1100万リットルの水を節約しているという。