■SDGs推進で重要な評価項目
今後のSDGs推進で重要なのは本アワード評価基準だ。①普遍性、②包摂性、③参画型、④統合性、⑤透明性と説明責任の5項目である。
(参考)http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/gic/page4_003331.html
伊藤園を例にこの5項目を見ると次の通りだ。
- 普遍性:茶産地育成事業を九州5県に拡大し、オーストラリアでも展開するなど普遍性が高く応用可能なビジネスモデルである。
- 包摂性:茶産地育成事業は、地域での女性活躍・後継者・新規就農者・高齢者の活用など幅広い包摂性を有する。
- 参画型:茶産地育成事業では、農業技術部が主体となって、様々なステークホルダーと連携・協力関係を構築している。
- 統合性:茶産地育成事業では、原料調達コストの低減、環境保全型農業及び地域雇用の創出など経済・環境・社会の要素が統合されている。
- 透明性と説明責任:社内において各取組を定期的にチェックし、レポートやホームページでその内容を公開している。
伊藤園のバリューチェーンとSDGs(下図)が特色あるものと評価された。これが載っている「伊藤園統合レポート2017」のダウンロードはこちらhttps://www.itoen.co.jp/company/

「伊藤園グループSDGs推進方針」も定めている伊藤園では、取り組み責任体制の構築も進めたほか、ホームページでトップページの右下に「伊藤園グループとSDGs」という特設バナーのポータルを設け情報発信を強化した。
(参考)伊藤園のSDGs特別賞受賞時のニュースリリース
https://www.itoen.co.jp/news/detail/id=25058
- SDGs「実装元年」の開始
昨年出そろった企業の統合報告書等ではSDGsへの言及が大幅に増加し、取り組みが本格化してきた。12月27日付けの筆者のコラム「2018年は『SDGs実装元年』、主役は『あなた』です」において2018年はSDGs「実装元年」になるだろう、と述べた。
今回の「ジャパンSDGsアワード」の発表で、各セクターのトップランナーが選ばれ、セクターごとにSDGs推進の政府としての方向性が示された。いよいよSDGs「実装元年」を迎えたと思う。