ESG投資の教科書的な存在として、IIRC(国際統合報告委員会)の「価値創造プロセスの全体像」(いわゆるオクトパスモデル)がある。「財務資本」「製造資本」「知的資本」などのインプットを元に、持続可能な取り組みを通じ、付加価値の高い製品やサービスを提供すべきという趣旨だ。

このオクトパスモデルを見て、寄付やボランティアなど「社会貢献」と呼ばれる領域は価値創造をしないので評価に値しないと考えも出てきた。冒頭のコメントがその象徴だ。そもそも、「社会貢献」をCSRそのものと考える人も多いので、余計に話がややこしくなる。

そこで、[新]CSR検定2級テキストに掲載した「「CSR/CSVの構造と領域」(オルタナ総研作成)で説明したい。4象限のうち右半分がいわゆる「攻めのCSR」であり、左が「守りのCSR」。上半分が価値創造型であり、下半分は価値創造が弱い領域だ。

短期の価値創造を企業に求めるのは危険

現状において、日本企業のほとんどのCSRの取り組み(寄付やNGO/NPOの助成、ボランティア/プロボノ、障がい者施設への助成など)は、第4象限(右下)の「社会貢献/フィランソロピー」領域に含まれる。

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