「森を守れ」が森を殺す。

2018年は林業政策が大転換される年になりそうだ。森林環境保全から木材生産増強へと変わるという意味で。

前回に触れた森林環境税は、住民税に上乗せ徴税して約620億円を集めるが、その使い道に「森林バンク」の設立がある。所有者不明のほか未登記、境界線未確定、そして山主に経営意欲がない─などの理由で放置された山林を市町村が預かり、それを意欲的な林業事業体に委託するというものだ。

ここで重要なのは「意欲的」というのは、積極的に伐採を行うという意味である。そして、それを後押しする施策が目白押しなのだ。

たとえば国会に提出される「森林経営管理法案」では、市町村が経営意欲のない(伐採しない)山主に対して、市町村の勧告や都道府県知事の裁定の形で市町村が預かることを可能にする。そして(伐採)意欲のある事業体に委託する。山主が拒んでも伐る、ということか。この場合、木材販売収入はまず業者が受け取る。

長い年月をかけて育てた木を、山主ではなく伐採業者が好きに伐って儲けられるということらしい。

もし伐採業者が高性能林業機械などを必要としたら補助金で支援する方針だ。金融機関から融資を受ける場合には、国が債務保証を行う。資本金要件を現在の1000万円から3億円以下に緩めるので、ほとんどの事業者が債務保証の対象に入るはずである。

ほかにも建設業者と連携する製材業者は優先的に補助対象にするし、伐採事業に進出する製材業者が設備を導入する際も補助するという。

※この続きは、オルタナ52号(全国書店で発売中)掲載の『「森を守れ」が森を殺す』でご覧ください。