「この取り組みは、いつの日かノーベル平和賞につながるかもしれない」。2 0 1 2 年10月、Asia Pacific Alliance for DisasterManagement(A-PAD)が新たな地域国際機関として発足したことを記念し、東京で開催されたシンポジウムで、モデレーターの村尾信尚氏(関西学院大学教授、ニュースキャスター)はこう語った。
A-PADは企業とNGOが連携して災害支援を行う地域国際機関であり、元々のコンセプトは2000年、日本にできたジャパンプラットフォーム(JPF)から来ている。
JPFは災害時や人道危機において、支援を行いたい企業や政府と現地で支援活動をするNGOを結びつける仕組みで、2000年に誕生して以来、これまでに400億円を超える資金がJPFを通じて国際NGOに提供されている。
この、外務省、経団連、数十の国際協力NGOが連携して発足したJPFのモデルに共感したアジア各国が、同様の経済界・NGO連携プラットフォームを各国につくっていこうという機運が高まり、日本、韓国、インドネシア、フィリピン、スリランカ各国にプラットフォームをつくり、それらをつなぎ合わせて地域国際機関にすることになったのがA-PADである(現在はバングラデシュも参加)。
■この続きは雑誌オルタナ53号に掲載されています