マルシェ売れ残りの果物が「湯上りドリンク」に

東京・日本橋で行われた「浜町マルシェ」で売れ残った甘夏やジューシーオレンジを絞り、近隣の銭湯「世界湯」で「湯上りドリンク」として提供。食品ロス削減で取り組まれた「福ごはんプロジェクト」で(写真:Tokyo Good Manners Project)

農産物などを直売するマルシェで売れ残った食材を、地元企業が販売したり料理やサービスとして提供することでフードロス削減につなげる「福ごはんプロジェクト」が2日、東京・日本橋で行われた。主催したのは、マナーの向上を通じて東京の魅力を高める企画を展開するTokyo Good Manners Project(TGMP、東京・中央)。マルシェ開催地の日本橋浜町に本社を置くカゴメなどの企業や飲食店、銭湯などで食材を有効活用する取り組みだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

年4回開催される「浜町マルシェ」では、全国の生産者が農産物などを持ち寄る(写真:Tokyo Good Manners Project)

「浜町マルシェ」は、日本橋浜町において浜町マルシェ実行委員会が年4回定期的に行っている。6月30日、7月1日の2日間、全国各地の30程の生産者が食材を持ち寄り、通算18回目のマルシェが開かれた。

福ごはんプロジェクトでは2日、マルシェで売れ残った野菜や果物などを、カゴメ、明治座、建設技術研究所の3企業が昼休みの時間帯に販売したほか、食材を活用した料理が富士屋本店日本橋浜町、浜町かねこ、HAMACHO DINING&BAR SESSiONの3店で2、3日の両日提供される。

さらに2、6、7の各日には、浜町近隣の銭湯「世界湯」で、売れ残った果物を浮かべた果実湯や果物を絞った「湯上りドリンク」などのサービスが実施される。同プロジェクトでは、売れ残った食材を生産者から定価で買い取ったうえで提供しているという。

TGMP理事であり、浜町に拠点を置く企画運営会社 グッドモーニングス社長の水代優氏は、「食品ロスの問題について多くの人に知ってもらい、一人ひとりが自分たちの意識やアクションを変えるきっかけになれば」と話す。

Tokyo Good Manners Project理事の水代優氏(左)と日本橋五の部連合町会の髙橋伸治会長

「フードロス問題はSDGs(持続可能な開発目標)でも課題とされており注目されてきているが、日本にはもともと『もったいない』という文化があり、『残り物には福がある』ということわざもある。日本文化としてのグッドマナーで、食のサステナビリティについて考えていきたい」(水代氏)

福ごはんプロジェクトは今後、浜町マルシェ開催に合わせて定期的な開催を目指すとともに、他地域での展開も目標としている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #フードロス

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