リサイクルが生む新たなラグジュアリー:アニオナ

オルタナ本誌 連載「エシカルファッションの旗手たち」(57号)から

上質なウルトラファインカシミヤを使用した生地ETERNAL ZYBELLINE DRAP CASHMEREで仕立てたコートは柔らかなドレープが特徴だ

ここ1、2年、ラグジュアリーファッションの世界で、エシカルの風が急激に吹き始めている。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の波は、確実にファッション界にまで及んでいる。ファーやレザーに対する姿勢で、もっとも早くからエシカルな姿勢をとってきているのは、ステラ・マッカートニーだが、ジョルジオ・アルマーニ、グッチ、プラダと、ファーフリー宣言は今、後を絶たない。(生駒 芳子)

昨年末にはシャネルもエキゾティックレザーの使用を廃止することを発表。ルイ・ヴィトンは90年代初頭から全社で環境問題に取り組み、ボッテガ・ヴェネタも就労環境評価の国際規格SA8000をいち早く取得。今やエシカルであることが、ラグジュアリーの必須条件となりつつある。

そんな状況の中、ひときわ目立つのが、ものづくりのあり方からエシカルを考慮する「アニオナ」の取り組みだ。「アニオナ」と聞けば、まさにイタリアンラグジュアリーのシンボル、ファッション業界では、カシミヤの最高峰ブランド。その「アニオナ」が、リサイクルカシミヤ、さらにはエターナルデザインに取り組んでいるという。

創業者フランチェスコ・イロリーニ・モは、世界中を旅して、各地で最高峰の素材を見つける冒険者だった。それを最先端の開発技術でクオリティを極め抜いた素材に仕上げることで、自らのブランドの展開に加えて、1960年代からはパリのトップ・デザイナー、トップ・ブランドに愛される存在となる。以来、「上質なカシミヤといえばアニオナ」という確固たるステイタスを確立。21世紀に入り、そこからさらなる進化を目指す挑戦が始まっている。

 

※この続きは、オルタナ57号(全国書店で発売中)掲載の連載「エシカルファッションの旗手たち」をご覧ください。

 

生駒 芳子(いこま・よしこ) 雑誌VOGUE、ELLEを経て、2004年よりmarie claireの編集長を務める。08年10月に独立後、ラグジュアリー・ファッションからアート、エシカル、社会貢献、伝統工芸の開発事業まで幅広いトピックを追うジャーナリスト・プロデューサーとして活躍。

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生駒 芳子(ファッションジャーナリスト)

ファッションジャーナリスト、アート・プロデューサー。VOGUE、ELLEの副編集長を経て2008年より「マリ・クレール」の編集長を務め、独立。ファッション、アート、デザインから、社会貢献、クール・ジャパンまで、カルチャーとエシカルを軸とした新世代のライフスタイルを提案。地場産業や伝統産業の開発事業、地域開発など、地域創生に数多く取り組む。2018年より、伝統工芸をベースにしたファッションとジュエリーのブランド「HIRUME」をスタートさせる。 アンダーグラウンド(モデル冨永愛個人事務所)代表、三重テラスクリエイティブ・ディレクター、日本エシカル推進協議会副会長、内閣府・消費者委員会委員、江戸東京きらり委員、東京2020ブランドアドバイザリーグループ委員、WEF(Women's Empowerment in Fashion)理事、認定 NPO 法人サービスグラント理事など。 連載:エシカルファッションの旗手たち

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