長野県はこのほど、地球温暖化対策への取り組みを表明する「気候非常事態宣言」(CED)を行った。CEDは世界で1200以上の自治体に広がり、国内では今年9月の長崎県壱岐市を皮切りに長野県が4例目、都道府県としては全国で初めてだ。阿部守一長野県知事に決意と思いを聞いた。(エイブルデザイン・渡辺勉=CSRエキスパート、自然エネルギー信州ネット理事・平島安人)

長野県がこのほど発表したCED宣言と新方針は、2050年までのCO2排出量の実質ゼロや再生可能エネルギーの普及拡大、エネルギー自律分散型の地域づくりなどを盛り込んだ。
■既存の団体の「長」より若者を
――CED宣言2日前の12月4日には、県立白馬高校の生徒の声に応え、白馬村が宣言を出しました。
阿部知事: 白馬村では高校生が熱心に活動し、村長もそれに応えた取り組みが非常に素晴らしいと受け止めていました。別の機会に白馬高校の高校生たちと話す機会があり、海外の「グローバル気候マーチ」のようなムーブメントとして多くの高校生の共感を呼ぶために、もっと色々頑張りたいと話していました。
若い世代は将来、気候変動の影響を強く受けるので、あのような提案を村に行ったのは非常に勇気ある行動だと思います。県としても、若い世代とも連携しながら気候変動の問題に向き合っていきたいと思っています。
ゼロカーボンを達成するためには様々な人たちを巻き込んでいく仕掛けが必要です。言い方に語弊があるかもしれませんが、既存の団体の「長」を集める形ではなく、むしろ本気になって行動しようと思っている若者や、そういう志をもつ人たちとも一緒にやれる体制を考えたいと思っています。
――そうした取り組みは、県の本気さが伝わりますね。
■「まっとうな危機感」の共有