雑誌オルタナ65号「ビジネスと民主主義 ESGの「S」が問われる」(2021年6月30日発売の記事です。オンライン有料会員に入会されると、本誌も無料でご自宅やオフィスに郵送します


Z世代が台頭、民主主義促す

「分断と対立」は世界中で起きている。新疆ウイグルや香港の人権問題、ミャンマーのクーデターでは日本企業も批判の対象にされ始めた。これまでは「政治問題でありビジネスとは無関係」と見なされていた事象について、企業が明確な態度を示すことを迫られている。

米PR会社のエデルマンが毎年発表している「トラスト(信頼)バロメーター」調査(2021年)によると、日本の4つのセクターのうち、最も信頼が高いのは企業(46%)で、NGO/NPO(40%)がそれに続く。

政府は37%、メディアは36%だった。コロナ禍における対策の遅れや齟齬(そご)もあって、政府は前年比で6ポイントも減らした。企業も3ポイント、メディアも1ポイントも減らした。NGO/NPOは横ばいだった。日本企業の信頼度は他のセクターよりも高いものの、今後、環境問題や人種問題、さらには民主主義への取り組みいかんではその信頼も揺らぎかねない。

「Z世代」の台頭も大きい。1995年―2010年生まれで「スマートフォンネイティブ」と呼ばれる彼ら彼女らは、SNSで盛んに情報交換し、社会課題にも関心が高い。

そのキーワードは「人権」「非差別」「正義」で、グレタ・トゥンベリさんや、テニスの大坂なおみ選手が代表格だ。Z世代は2021年現在、世界人口の35─40%を占める世代別の最大勢力になった。Z世代の87%が「ブランドに『誠実さ』を求める」という調査
結果もある。