文明論としてのSDGs (笹谷 秀光)

横並び思考が加速するガラパゴス化

もう一点重要なことがある。SDGsは、自主的取り組みが基本である。やれる人がやれるところからすぐにも着手しようというルールである。そうしなければもはや地球規模の課題の対処に間に合わないという危機感が背景にある。

このルールは怖い。どんどん差がつくからだ。「ぼーっと」していれば「置いていかれる」というルールだ。日本が欧米に置いていかれる、日本の中でもSDGs仲間の埒外に置かれる。

ルールが変わったのである。横並び思考、「護送船団行政」の残影、ガラパゴス化から一刻も早く抜け出して、すぐにも自社は何をすべきかを、SDGsをヒントに考えなければいけない。今ならまだぎりぎり間に合うかもしれない。

以上みてくると、SDGsは世界共通言語なので各国の対応を通じ、各国の文明の質が問われる。

今年はSDGs五輪・パラリンピック・イヤーだ。各国からインフルエンサーが来日する。日本はそろそろSDGsの「解読作業」を終えて、これを共通言語として使いこなし、未来に向けてみずから考え、実行していくべき時代に入った。

おかげさまで、拙著「Q&A SDGs経営」(日本経済新聞出版社)を通じて「発信型三方良し」に賛同しこれを推進する「エバンジェリスト」(伝道者)も増えている。

2020年のSDGs五輪イヤーを日本再浮上のSDGs経営「実装」元年としたい。

当面の活動
◆募集中:『Q&A SDGs経営』発刊記念特別講座・SDGs経営時代の企業サバイバル ―経営層、中堅幹部限定
2020年3月6日金曜日 13:30〜16:30
金融ファクシミリ新聞社セミナー
〒103-0016 中央区日本橋小網町9-9 小網町安田ビル2階
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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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