英首相が「気候危機」対策で米大統領と訣別

英ガーディアン紙などによると、ボリス・ジョンソン英首相は2月4日、ロンドン市内で気候変動の専門家や企業経営者、非営利組織代表らの前で講演し、エンジン車の販売禁止計画を2040年から2035年に5年間早めるなど「気候危機に対する緊急アクション」を明らかにした。(オルタナ編集長・森 摂)

自動車販売規制については、パリ協定(2015年)の後に表明していた「2040年にガソリン車・ディーゼル車とも販売禁止」を5年前倒すほか、これまで規制外だったハイブリッド車(HV)も新たに対象にするという大胆な施策だ。ジョンソン首相は、2035年からさらに規制を前倒しにする可能性にも含みを持たせた。

ジョンソン首相は「いま緊急に行動を起こさないと、(地球の平均気温は産業革命前より)3℃高くなる」と明言。これまでIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が明示していた「2℃シナリオ」以上の「3℃上昇」を国家首脳として初めて言及した。

これは衝撃的なニュースだ。英国のEU離脱(ブレグジット)からわずか4日後に、ジョンソン首相がこれほど大胆な「気候危機政策」を打ち出して来るとは筆者も予想できなかった。

■盟友・トランプ大統領の地球温暖化懐疑論は置き去りに

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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