新型コロナウイルスの流行で、フランスの閣僚たちが毎日のようにメディアで発言している。国民教育相は一斉休校で不安な教師や親の質問に答え、連帯・保健相は新型コロナについてテレビやラジオで説明する。メディアは、どう行動すれば良いか分からない市民の疑問にできるだけ答えようとする。見えてきたのは、政府の発信力と透明度の高さ、政府発表だけでは見えない部分をカバーして伝えようとするメディアのきめ細かい報道姿勢だ。(パリ在住編集委員=羽生のり子)

一斉休校が始まる前日の3月15日、ブランケール国民教育相が、ニュース専門の国営ラジオ局「フランスアンフォ」の電話相談に出演し、教師や親たちの不安に答えた。18日のラジオでは、休校が始まってから出てきた問題に答えた。学校は遠隔授業を始めたが、全く閉鎖したわけではない。
家にパソコンがない子は学校に来て遠隔授業を受けられる。教師は学校で遠隔授業に必要な機械やツールを使える。医療関係者など、この時期に働かなければならない親の子は学校に来て、教師から授業を受けることができる。感染を防ぐため1クラス10人までに限定している。この詳細は教育省が全国市町村長会との話し合いで決めた。