■事業・環境リスクも高い

ライフサイクルでみたバイオ燃料の温室効果ガス排出量の試算。右端のパーム油は、LNG(天然ガス)を上回っていることが分かる(経済産業省バイオマス持続可能性ワーキンググループ資料から)

事業の観点からみても、パーム油発電のリスクは高まっている。2018年に燃料のRSPO認証取得が要件となったことで、同年度の落札案件は1件のみで、それも後に辞退となった。認証のため燃料自体のコストが上がっていることが要因の一つだ。

また発電の際の温室効果ガスの排出量については、ライフサイクルで見てパーム油が天然ガスを上回るという経産省の試算が出ており、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からみてもリスクは決して低くない。

「エネルギー自給の観点からも、輸入燃料によるバイオマス発電は問題が大きい。再エネ自体は今後さらに拡大していくべきだが、小規模分散型など、地域に根差した形で推進していくべき。生産地にとっても発電所建設地にとっても、地域社会に持続可能なものでなければならない」(石崎さん)

舞鶴市のパーム油発電をめぐっては、推進を目指す行政・事業者側と住民の主張はいまだ平行線だ。住民が建設中止を求めインターネット署名サイトchange.orgを通じて進めている署名は、現在約1万1千筆が集まっている。

「考える会」の森本代表は、「舞鶴市と日立造船は、住民と話し合う姿勢を示してほしい。第3者の立場の専門家、NGOなども交え、住民が問題を整理して理解できる場が必要だ。新型コロナウイルスの問題で地域住民に不安が広がるなか、一旦計画を保留にするなどの対応ならまだ分かるが、一方的に推進する姿勢を見せられ不安がダブルで重なっている人びとも多い。住民の心に寄り添った対応を求めている」と強調した。

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