新型コロナで緊急支援を必要とする医療・介護従事者や子育て家庭、アーティストや中小企業などに対し、個人が支援の分野を選んで寄付できる特設サイトが立ち上がった。政府による国民への一律10万円の特別定額給付金が支給されるなか、支援を必要とする人と支援する人をつなごうと、パブリックリソース財団、ヤフー、トラストバンク、現場の支援者や専門家などでつくる実行委員会が設立。寄付金は開始5日で3千万円を超えた。(堀理雄)
特設サイトでは、ヤフーが運営する「Yahoo!ネット募金」、またはトラストバンクが運営する「ふるさとチョイス」のいずれかを通じ、100円から寄付が可能。4つの分野から支援したい内容を1つもしくは複数選び、クレジットカードで決済する仕組みだ。
4分野の支援内容は、①「医療」分野が医療機関へのマスクやガウン、人工呼吸器などの医療器具や人件費など、②「福祉・教育・子ども」分野が介護・障がい者施設や学校、保育所、学習支援団体や生活困窮者支援団体などへの支援を行う。
③「文化・芸術・スポーツ」分野は、担い手であるアーティストやアスリートのほか、閉鎖の危機にあるライブハウスや演芸場などの事業者や施設への支援、④「経営困難に追い込まれた中小企業」分野は、飲食、宿泊業をはじめ営業自粛・休業に追い込まれている中小事業者に対し、特に女性や若者、障がい者の雇用継続にも結びつく支援を行う。
プロジェクト発起人代表の佐藤大吾・NPO法人ドットジェイピー理事長は、「(一律10万円の)給付金について、『緊急に困難を抱えているわけではないのでの受け取りを放棄しようか』という声もあるが、しっかり受け取って、100円でもよいので支援を求める現場にご自身の思いとして届けてほしい」と話す。
一方で佐藤氏は「10万円全額寄付すべきとか、寄付しないのはけしからんといったメッセージを出すつもりは全くない。そうした間違った同調圧力を避けた上で、できる人ができる範囲で支援してほしい」と呼び掛けている。
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