花王の「たかがシール。されどシール」戦略

いま特に「Z世代」「ミレニアル世代」など若い消費者の環境意識が急速に高まっています。最近、ある都内の女子高生が亀田製菓とブルボンに「過剰包装をやめて」とオンライン署名運動を始めたことも話題になりました。

2020年4月からの新学習指導要領によって、SDGs(持続可能な開発目標)が英語や理科、社会などの教科書に載るようになったことも、若者たちの意識を変えるきっかけになるでしょう。

こうした若い世代は「未来の顧客」であるとともに、「未来の従業員」、「未来の取引先」になるかも知れないのです。その意味で、小さくて薄っぺらいシールを止めることの意味は決して小さくないのです。
「トレードオフ」から「トレードオン」へ

「トレードオフ」から「トレードオン」へ
酒井部長は「教育の現場では、サステナビリティが当たり前。デジタルネイティブと同様に、社会感度が高い人も増えています。リクルーティングの上でも重要です。環境施策は以前はオプションでしたが、今では必須になりました」と言います。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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キーワード: #ESG

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