■計画と実績の「つじつま」を合わせない

1000年の森を育てるみんなの会は、「みんなでつくるみんなの森プロジェクト」(国土緑化推進機構 「緑の募金」交付金による事業)の一環で生物多様性保全のワークショップを行った

栃木県北部にある広大な複合扇状地・那須野が原で、水源林の保全に取り組むのが、特定非営利活動法人1000年の森を育てるみんなの会(栃木県那須塩原市)だ。東日本大震災に伴う森の放射能汚染問題を受けて活動が停滞していたが、2019年に組織を改編し活動を再開した。

同NPOの関谷弓子さんは、「助成事業だけではなく、自主事業も強化していきたい。そのためには人材育成と資金調達が必須だと考えていたが、カイケツの講座を通じて、まずは運営体制の見直しが必要なことに気付いた」と話す。

現在はトヨタ財団の「しらべる助成」を利用して、手入れされていない、所有者不明の平地林を調査している。これをさらに自主事業として発展させ、所有者を割り出し、整備するところまでを視野に入れる。

「温泉街に向かう沿道を整備することで、地域住民や観光客に森や自然の魅力を伝え、放置林への関心を高めていきたい。こうした活動を通じて、水源林を保全することの重要性を伝えることができれば」(関谷さん)

関谷さんは運営体制の見直しの一環として、組織図や事業計画の作成に取り組んでいる。

担当する古谷講師は「もし、計画と実績に『ずれ』が生じても、そのまま残すことが大切」とアドバイスする。

「計画通りに進むことはまれで、『ずれる』ことは問題ない。ずれた理由を考えて対策をすることで、計画と実績の差がなくなり、運営がスムーズになっていく。元の計画を消すと、つじつまが合って計画通りに実行できたように見える。しかし、そのうち無理が出てきて、違う人が同じような問題を抱えることになる」(古谷講師)

さらに「計画がずれたことで、個人を責めないことも大切。役割を分担し、組織全体で効率化を進めることが、組織基盤の安定につながる」と古谷講師は強調した。

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」では、こうした一連の問題解決のプロセスをA3資料にまとめていく。次回の第5回では、A3資料にまとめた内容を発表し、対策立案まで進める。2021年1月には成果を報告する発表会が一般向けに開かれる。

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