浄水器のブリタはなぜ亀岡市と連携したのか(下)

■自然保護活動への寄付も

フィルアンドゴーアクティブ WWFジャパンコラボエコバッグ付き(オープン価格)

地球環境と生物多様性の保全のため、国際環境NGOのWWFジャパンとの協働も進める。

地球環境を守ることでより良い未来を実現するというビジョンを共有し、そのための「行動を起こす」という志を同じくしていることから、今回の協働が実現した。

2020年6月にはコラボ商品「フィルアンドゴー アクティブ WWFジャパンコラボエコバッグ付き」を数量限定で発売。コラボ製品が1個購入されるごとに、ブリタジャパンが100円をWWFジャパンに寄付する仕組みだ。

寄付金は「国内の水田・水路や南西諸島の陸域の生物多様性を保全する活動」と「海洋プラスチック汚染対策をはじめとする、国内外の海洋環境保全の取り組み」に活用される。

同時に会員組織「BRITA Club(ブリタクラブ)」での寄付プログラムも始動した。会員が製品を購入するなどして貯めたポイントをWWFジャパンに寄付する仕組みだ。

同クラブでは浄水器本体や交換用フィルターカートリッジなどの購入金額に応じて、ポイントが付与される。通常、ブリタクラブポイントは商品などに交換できるが、ここに「寄付」という選択肢を加えた。1千ポイントを1口として1千円をWWFジャパンに寄付できる。

ブリタジャパンは約32万人の会員に対し、会員サイトなどを通じて海洋プラごみ問題の啓発を行うほか、寄付の機会も提供する。

「保津川ラフティング」とも協働し使い捨てプラ削減を進める

日本は1人当たりの使い捨てプラスチックごみの発生量が米国に次いで世界2位。年間32キログラムを排出している(国連環境計画、2018年)。日本政府は2030年までに使い捨てプラスチックを25%減らすことを目標に掲げており、抜本的な対策が求められている。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にあるように、社会課題の解決には「協働」が欠かせない。

BRITAは使い捨てプラスチックごみ対策をはじめとする課題に向き合い、セクターを超えて持続可能な社会の実現に向けて活動を展開していく。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..