廃棄資材に命吹き込む

同社の宮尾隆弘代表は同町出身の41歳。「青果市場や運送会社で勤務する知人から木製パレットの処分に困っており、処分もそのほとんどが焼却されていると聞き、もったいないなと思った」(宮尾代表)。捨てられていくものに手を加えることで、誰かに大事に使ってもらえるものにしたいとの思いで同社を起業。福祉職から転身した。
立ち上げの際にも、廃業する建具店から木材加工の機械を譲り受け、近所の使われなくなった農業倉庫を借りて工場にした。宮尾代表は「木製パレットを使った製品の良さは、新建材には出せない材の味と複数の材を組み合わせることができるところ。自分の力で拾えるものがあれば、新たな命を吹き込んで、誰かに喜ばれる存在にできればいい」と笑顔で今後の展望も語ってくれた。
同町の住民主体のまちづくりに取り組むチーム「AGW」の一員としても活動するなど、多方面で活躍する宮尾代表。新たな展開でも我々を驚かせてくれそうだ。
*雑誌オルタナ57号(2019年6月24日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載
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