京都の里山、クリエイティブ集団が活性化

対外的なイメージを統一

里山デザインは、2年半前に法人化して以来、京都市内のデパートやホテルで、行政や商工会、林業家や農家、作家や地元の商店を巻き込み、何度もイベントを実施した。「全国の地方で『地域おこし』の多くが単発で終わってしまうのは、既存のヒエラルキーや力関係に縛られ、地元住民が主体にならず、根の張った取り組みが育っていないからではないか」(太田さん)

里山デザインは、こうした力関係に影響を受けないフラットな京北地域全体のライフスタイルをPRする「KEIHOKU Style(ケイホクスタイル)」というプラットフォームを構築することで、対外的なイメージの統一ができるようになったという。

さらに、訪日外国人(インバウンド)向けの宿泊施設や体験ツアーの提供や、地元商品のパッケージの企画制作を行うことで、対外的な京北のイメージの一本化を図ってきた。

6月には、民泊事業を牽引する「エアビーアンドビー」と本格的に事業展開を開始するほか、大手企業からも事業参画に名乗りが上がっているという。観光庁や他国の教育機関からも、スタディーツアーの要望が入る。

里山デザインの手法は、日本全国の地方自治体の問題解決への手がかりになるかもしれない。

*雑誌オルタナ53号(2018年6月29日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載

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