【結論】
総実験日数が1426日に及ぶ6回の長期野外実験結果からも、ネオニコが蜂群を弱体化して、蜂群の滅亡を早めることが明らかになってきているにも関わらず、日本では、ネオニコに対する危機意識が薄いように感じてならない。
2013年末にEUで実施された3種のネオニコを危険な農薬と判定して一時使用停止(モラトリアム)した。その翌年には、日本では、ネオニコの食品中の残留基準値(MRL)が上げられている。
EUで危険だと判断されたネオニコを、EUのモラトリアム実施後に、なぜ日本では安全であると判断して、許容残留濃度を高くしたのであろうか。科学的にネオニコの哺乳類(ヒトも含む)への危険性が明らかになってきている今、「人の安全性」という観点のみから科学的な根拠を示して欲しいと考えるのは、私だけだろうか?
食品がどのように食されるか不明である多様化した食文化の現代において、安全は全てに優先すると考えの下、工学の分野ではよく言われるフェイルセーフの視点から農薬基準値を決めて欲しいものである。
【参考文献】
[1] Toshiro Yamada, Kazuko Yamada, Naoki Wada: 臨床環境医学誌 , 21(1):21-23 (2012).
http://jsce-ac.umin.jp/jjce21_1_0.htm
[2] Toshiro Yamada, Kazuko Yamada, Yasuhiro Yamada: Journal of Biological Series, 1(3):84-107 (2018). https://www.academiapublishing.org/journals/jbs/abstract/2018/Jul/Toshiro%20et%20al.htm
[3] Toshiro Yamada, Yasuhiro Yamada, Kazuko Yamada: Journal of Biological Series, 1(3):108-137 (2018). https://www.academiapublishing.org/journals/jbs/abstract/2018/Jul/Yamada%20et%20al.htm
[4] Toshiro Yamada, Yasuhiro Yamada, Kazuko Yamada: Journal of Biological Series, 1(4):187–207 (2018). https://www.academiapublishing.org/journals/jbs/abstract/2018/Oct/Yamada%20et%20al.htm
[5] Toshiro Yamada, Yasuhiro Yamada, Kazuko Yamada, Paul Apao: Journal of Biological Series, 1(4):156–186 (2018).
https://www.academiapublishing.org/journals/jbs/abstract/2018/Oct/Yamada%20et%20al..htm
[6] Yasuhiro Yamada, Toshiro Yamada, Kazuko Yamada: Scientific Reports, 9(1):4102 (2019).
https://www.nature.com/articles/s41598-019-40725-0?bcmt=1
[7] Toshiro Yamada, Kazuko Yamada: PeerJ, 8:e9505 (2020).
https://peerj.com/articles/9505/