【連載】つなぐ金融

地域通貨に魅力を感じたのは、2019年2月にキームガウアー(Chiemgauer)に出会ってからである。キームガウアーはミュンヘンから80㌔㍍ほど離れたキーム湖周辺で、2002年に導入された地域通貨である。流通範囲には約50万人が居住している。(林 公則=明治学院大学国際学部国際学科准教授)

地域通貨は一般的に、円をはじめとする法定通貨が何らかの理由で機能不全に陥り、経済活動が停滞している地域で受け入れられやすい。しかしミュンヘン近郊はこれまでは失業率が低く、この条件を満たしてこなかった。にもかかわらずキームガウアーは、2003年から2015年の期間に、利用者(130人から3100人)、受入店(100店から561店)、流通量(約7万ユーロから約236万ユーロ)を確実に増加させてきた。