新たな通貨をデザインする

■オルタナ本誌61号 つなぐ金融 から

域通貨に魅力を感じたのは、2019年2月にキームガウアー(Chiemgauer)に出会ってからである。キームガウアーはミュンヘンから80キロメートルほど離れたキーム湖周辺で、2002年に導入された地域通貨である。流通範囲には約50万人が居住している。

地域通貨は一般的に、円をはじめとする法定通貨が何らかの理由で機能不全に陥り、経済活動が停滞している地域で受け入れられやすい。しかしミュンヘン近郊はこれまでは失業率が低く、この条件を満たしてこなかった。にもかかわらずキームガウアーは、2 0 0 3 年から2015年の期間に、利用者(130人から3100人)、受入店(100店から5 6 1 店)、流通量(約7 万ユーロから約236万ユーロ)を確実に増加させてきた。

*この続きは雑誌「オルタナ」61号(第一特集「新型コロナと持続可能性」、6月30日発売)に掲載しています

 

筆者:はやし・きみのり 明治学院大学国際学部国際学科准教授。2007年10月、一橋大学大学院博士課程(経済学研究科応用経済専攻)修了。専門は環境経済学と環境政策論。著書に『新・贈与論─お金との付き合い方で社会が変わる』(コモンズ)など。

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羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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