記事のポイント
- 電子部品メーカーのNISSHAらがテイクアウト容器のシェアリングサービスを本格始動する
- カップを借りるには初回利用時のLINE登録のみで完了
- カップの返却率はほぼ100%でシェアリングサービスの普及に期待
電子部品メーカーのNISSHAがNECソリューションイノベータと開発・実証実験を進めてきたテイクアウト容器のシェアリングサービスが、本格始動する。「Re&Go(リーアンドゴー)」という名称で、1年前から都内の店舗で試行していたが、来年3月頃には実証実験を終え、洗浄や輸送の効率化を図りながら正式サービスに向けて展開を進める予定という。サービス対象エリアを順次拡大、2023年には利用可能店舗を200店舗にするのが目標だ。(編集委員・栗岡理子)
■拡大計画エリアは神奈川、愛知、京都、大阪、福岡など
「Re&Go」の繰り返し使えるステンレス製カップは現在、東京都内(丸の内・渋谷周辺エリア)のスターバックスやローソンなど約40店舗で利用できる。カップを借りたい人は、初回利用時に対話アプリ「LINE」に友だち登録する。登録数はこの1年で1万人を超えたため、正式サービス展開を目指し対象エリアを拡大させることを公表した。
2023年度に拡大を計画している地域は、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県。他に広島県への拡大も検討中だ。エリア拡大に合わせて参加店舗も順次拡大する。2023年中に利用可能店舗を200店舗に、2025年には1200店舗にするのが目標だ。
Re&Goプロジェクトのメンバーは、「利用エリアと店舗数の拡大はユーザーの利便性だけでなく環境へのインパクトからも重要だと考えている。より多くの方により便利に利用いただけるサービスを目指したい」と話している。ユーザーの利用料については、正式サービス開始後もこれまで通り無料の予定だが、一部有料で追加のサービス(インセンティブ)を受けられる仕組みも検討中とのことだ。
■カップ返却率はほぼ100%
保温性の高いRe&Goのリユースカップは、自宅でも使いたくなる。返さない人もいるのではないか。返却率が悪ければリユースが進まず、レンタルは成り立たない。カップの返却率を聞いた。
「利用期限(3日間)の返却率は97%、諸事情により期限を超えて返却いただいた方も含めると返却率はほぼ100%」(Re&Goプロジェクトのメンバー)
そうなると、Re&Goがめざす「容器のシェアリングサービスが当たり前の社会」が実現する日はそう遠くないかもしれない。持続可能な社会の実現にはリユースは不可欠な要素だろう。早く実現してほしいものだ。