【連載】ソーシャルビジネスとは何か(1)

「誰のための仕事か。何のために働くのか」――。

 この「誰」と「何」に、あなたが当てはめたのは何でしょうか?

いろいろな企業の方々にお話をさせて頂く機会があります。同じ質問をすると、多くの方が悩みます。さらに、「あなたは幸せですか?」と問うと、手を挙げる方は1割程度。多くの人々が違和感をもち、仕事における自身の存在理由を、そして、生き方そのものを模索していると感じます。(鈴木 雅剛=ボーダレス・ジャパン副社長)

ボーダレス・ジャパンの鈴木雅剛副社長

ビジネスの本質は「共に生きるための助け合い」。相手が必要とするものをお互いが提供し合う。人間同士の「フラット」で「お互いさま」の関係が基本だと思います。一人でできないことは、たくさんの仲間が集まり助け合って実現する。それが会社です。

助け合いの結果、感謝の一部をおカネでやり取りします。おカネは「手段」ですが、不確実な世の中で、貯める、増やすが可能なおカネは、とても魅力的ですね。いつのまにか「手段」から「目的」へとすり替わり、「もっと」利益を、「もっと」収入を、となってしまいます。

結果、経済「効率」が重視され、集約化や専門分化、標準化を志向する社会が拡がりました。経済の中核をなすビジネスは、効率よく儲かる領域を手掛ける一方で、非効率な状況には手を出しません。人口が少ないエリアでスーパーを始める人はいないでしょうし、病気や障がいがある人を正社員雇用する会社も少ないでしょう。

日々顔を合わせる同僚が、会社を辞めた。後から知った理由は、介護、保育、病気などの問題だった。本人は職場で相談しづらく、会社のルールも個別案件(マイノリティ)には対応できない。こういった状況も、効率偏重から生まれます。

標準化が「分断」を生み出す

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