日本の消費がなぜアフリカゾウに影響を与えるのか

生態系において重要な役割を果たすゾウが摂食する植物に変化があれば、サバンナ全体の植生にも長期的な影響を与えていくでしょう。

私が活動している南アフリカのクルーガー公園内でも、モザンビークやジンバブエとの国境付近の北部に行くと、驚くほど多くの牙がないゾウに出会います。その度に人間の活動がアフリカ大陸を代表する野生動物の遺伝子にまで永続的な影響を与えることに危機感を募らせています。

自分たち人間のせいで、本来のアフリカゾウの姿が近い将来見られなくなるかもしれないと思うと、人間の営みが持つ影響力に恐怖さえ覚えます。

世界各国が保全にむけて動き出し、ついには中国も2017年に象牙市場を閉鎖しました。しかし、日本は未だに国内での象牙取引が合法とされており、世界最大級の象牙市場となっています。

日本の消費者として、これ以上ゾウを脅かす密猟に加担しないよう気をつけなければならなりません。象牙製品を買わないなど消費者としての意識を持つ、そして何よりもアフリカの実情を知ってほしいです。

様々な実態に気づくことが、その後の行動や生活にちょっとした変化をもたらすきっかけになるはずです。私は日本人サファリガイドとして、現地から情報発信を続け、少しでも多くの方に興味を持ってもらえるよう環境保護の活動を続けていきたいと思います(太田ゆかさん談)。


太田さんは密猟問題に取り組むためにクラウドファンディングを始めました。
詳しくはこちら

キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..