「BRITA×亀岡市」プロジェクト、パートナーの声

 亀岡市は、京都市の西方約20kmに位置し、市の中央部を北から東へ保津川(一級河川桂川)が貫流しています。この保津川は、豊かな水を運び、京野菜をはじめとする多くの農作物を育むほか、三大観光の一つ「保津川下り」などの観光資源として、本市に様々な恵みをもたらしてきました。

 しかし、近年、ペットボトルなどのプラスチックごみが川岸に流れ着き、その豊かで美しい自然環境が脅かされています。本市では2012年、内陸部として初めて「海ごみサミット」を開催し、環境保全への機運を高め、以降、多くの市民と課題を共有する中で、その課題解決に向け、2018年12月に「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を発出しました。

 2030年までに使い捨てプラスチックごみゼロを目標に掲げ、2020年3月には全国初となるプラスチック製レジ袋の提供禁止条例を制定、2021年1月から市内の店舗では有償無償を問わずプラスチック製レジ袋の提供を全面的に禁止します。

 2020年6月には、ブリタジャパンと包括連携協定を締結し、ペットボトルの削減を目指し、マイボトルの普及に取り組んでいます。この一環として市内の高校とも連携しました。現代社会に深く浸透したプラスチックにより生じる環境問題は、こうした若い力や企業とのパートナーシップなくしては決して解決することはできません。亀岡市は、この豊かな環境を次代に引き継ぐため、これからも様々な人や企業の協力を得ながら、プラスチックごみゼロを目指し、挑戦を続けます。

名倉 真也(なぐら・しんや)
環境市民部環境政策課環境保全係長。1974年亀岡市生まれ。1993年亀岡市役所に入庁。土木、防災、総務部局等。

■メーカーと消費者つなぎ、課題を解決――平和堂

 平和堂は1957年創業で、近畿地方、北陸地方、東海地方で総合スーパーとスーパーマーケットを展開しています。1991年に環境問題特別委員会を設置して以来、全社的な環境保全活動を進めてきました。お買い物袋(エコバッグ)持参運動も同年から30年にわたって続けています。

 亀岡市がブリタジャパンと協定を締結し、「使い捨てプラスチックごみゼロ」を目指すと知り、私たちも流通の立場から何か一緒にできないだろうかと考えました。例えば、平和堂アル・プラザ亀岡では、担当者が店頭POPを手作りしました。POPの前で足を止めて商品やパンフレットなどを見てくださる方も多く、関心の高さを実感しています。

 バイヤーとして、お客さまが商品に求める条件が変化しているのも感じます。これまでは質や価格で商品を選ぶことが一般的でしたが、これからは「環境」も条件になっていくだろうと思います。以前は「環境に良い商品は高い」というイメージがありましたが、「値段が相応であれば買いたい」というお客さまは多いのです。私たちも環境問題の解決につながるような商品や再生素材を使った商品などの品ぞろえを増やしていきたいと考えています。

 ブリタジャパンをはじめメーカーも環境配慮型の商品開発に力を入れていますし、お客さまもそれを求めています。SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」にあるように、私たちは流通業としてメーカーと消費者をつなぎ、3者が一体となって持続可能な社会づくりに貢献していきたいと思います。

片山 渉(かたやま・わたる)
平和堂衣住統括事業部家庭用品寝具インテリア課バイヤー。1977年、滋賀県生まれ。2000年に平和堂入社、2010年から現職。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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