経験の科学から想像の文学へ

【連載】オルタナティブの風

「人類の過去の歴史に学べば、人類の未来についての洞察が得られる」という思想。それは、これまで社会科学が依拠してきた基本思想でもある。

例えば、経済学の「コンドラチェフの波」などの景気循環の法則や、政治学の「貧しい国で生まれる独裁体制は、経済が豊かになるにつれて民主主義に移行する」という法則、社会学の「発展途上国には、資本主義の導入に伴って、欧米的な文化が広がっていく」という理論など、これまでも、多くの法則や理論が提唱されてきた。

こうした社会科学による未来予測が一定の有効性を持つことは確かであるが、一方、近年の科学技術の急激な発達がもたらす現実の中で、いま、社会科学が、現実の変化に追いつけず、大きな限界に突き当たっている。

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

田坂 広志

田坂 広志

21世紀アカデメイア学長、多摩大学大学院名誉教授、田坂塾塾長。81年、東京大学大学院修了。工学博士。87年、米国パテル記念研究所研究員。90年、日本総合研究所の設立に参画。取締役を務める。00年、多摩大学大学院教授に就任。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立。08年、世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Agenda Councilメンバーに就任。11年東日本大震災に伴い内閣官房参与を務める。13年、全国から8300名の経営者やリーダーが集まり「7つの知性」を学ぶ場、「田坂塾」を開塾。著書は100冊余。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..