世界で進む環境に配慮した海洋経済、日本の勝機は

一般財団法人マリンオープンイノベーション機構(MaOI機構)は3月4日、「Blue Economyがつくる未来」と題したオンラインセミナーを開催した。MaOI機構は、ブルーエコノミー(持続可能性を踏まえた海洋関連産業)を推進する産官学金連携プラットフォームで、2019年に静岡県が立ち上げた。日本最深部の駿河湾など豊かな海を抱える静岡県を、国際的な海洋産業の集積地に育て上げる構想だ。(瀬戸内 千代)

ブルーエコノミーに関する日本の進捗と課題を話し合った

2020年11月には、活動拠点として研究室を備えた「MaOI-PARC」を清水港近くに開所した。異業種マッチングや大学との連携を進め、海洋データも集約するという。今回の第4回MaOIセミナーは、「国連海洋科学の10年」が2021年から始まったことを記念して開催し、在日米国大使館のキース・カーカム商務担当公使もビデオメッセージを寄せた。

日本総合研究所の足達英一郎理事は、2016年に経済協力開発機構が「海洋経済の市場規模が2010年からの20年で2倍以上に成長する」と報告したことを発端に盛り上がる世界のブルーエコノミーを紹介した。2018年にセーシェル共和国が発行した世界初のブルーボンド(環境債の海洋版)や、世界海洋サミットが策定したブルーファイナンス原則、2019年に欧米11銀行が掲げたポセイドン原則などが動力だという。

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瀬戸内 千代

オルタナ編集委員、海洋ジャーナリスト。雑誌オルタナ連載「漁業トピックス」を担当。学生時代に海洋動物生態学を専攻し、出版社勤務を経て2007年からフリーランスの編集ライターとして独立。編集協力に東京都市大学環境学部編『BLUE EARTH COLLEGE-ようこそ、地球経済大学へ。』、化学同人社『「森の演出家」がつなぐ森と人』など。

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