■今さら聞けないサステナビリティ重要単語:ISO26000
「ISO26000」は組織の社会的責任に関する国際規格で、ISO(国際標準化機構:本部ジュネーブ)が2010年11月に発行しました。従来の第三者認証規格とは異なり、ガイダンス規格となっていることがポイントです。(山口 勉)
ISO26000は、主に3つの特徴があります。
1.従来の第三者認証規格ではなく、ガイダンス規格である
ISO9001やISO14001が要求事項を満たしているか否かを第三者機関が評価し、 の結果に基づいて認証を与える仕組みなのに対し、ISO26000は、組織が効果的に社会的責任を実践するための推奨事項を示した手引書となっています。
2.企業だけではなく、あらゆる組織が対象
ISO26000は象者を企業に限定せず、民間、公的機関、非営利等を問わずあらゆる形態の組織が利用可能です。そのため、CSRの「C(企業)」を外して、「Social Responsibility(社会的責任)」という言葉を使用しています。
3.ステークホルダーエンゲージメント
ステークホルダーエンゲージメントとは、組織の意思決定にステークホルダー(利害関係者)との対話などを組み込むことを意味します。ISO26000では、「ステークホルダーの特定」および「ステークホルダーエンゲージメント」を組織の社会的責任の中心的課題として位置付けています。
7つの原則と7つの中核主題とは
ISO26000では、組織が社会的責任を果たすための具体的な実践内容として、下記の「7つの原則」と「7つの中核主題」を示しています。
7つの原則は「説明責任」「透明性」「倫理的な行動」「ステークホルダーの利害の尊重」「法の支配の尊重」「国際行動規範の尊重」「人権の尊重」で、7つの中核主題を実践するために踏まえるべき原則です。
実践課題として挙げられた7つの中核主題が「組織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「公正な事業慣行」「消費者課題」「コミュニティーへの参画及びコミュニティーの発展」で、各主題の中に全体で36の具体的な課題が設けられています。