カナダのトロント大学はブラジル産の果実「アサイー」について、「NLRP3インフラマソーム」の形成と誘発性炎症を抑制する効果があると発表した。新型コロナウイルスが細胞に感染すると、NLRP3インフラマソームが活性化して、炎症反応を引き起こすことが明らかになっている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

同大学の研究室が行った実験では、NLRP3インフラマソーム誘発性炎症を起こした細胞などに対し、日本のフルッタフルッタ社が保有するアサイー原料が、NLRP3インフラマソームの炎症を阻害するかを調べた。
NLRP3インフラマソームは炎症反応を起こすタンパク複合体だ。新型コロナに起因するだけでなく、活性化し過ぎると過剰な炎症が起き、動脈硬化や通風、肝硬変やアルツハイマー型認知症などの発生にも関係すると言われてる。
フルッタフルッタ社では今回の結果を受けて、「アサイーが新型コロナの治療方法の選択肢になり得る可能性のみならず、生活習慣病の予防や治療方法の一つとして応用される可能性も示唆された。さらに深度を深めた共同研究を継続して実施していく」と発表した。
フルッタフルッタでは、森をつくる農業といわれる「アグロフォレストリー」で栽培したアサイーなどのアマゾンフルーツをブラジルから輸入している。アサイーを原料にしたドリンクやヨーグルトなどの製造・販売を行う。