クラフトマンシップから生まれる多様性

多様で健康的なファッションの未来を考える(7)

先日、長年愛用している財布をつくっているブランドの方と話をする機会があった。柔らかく、使い込むほどに手に馴染むその皮をなめしていた工場が閉業したという。動物性素材の使用を避ける流れの影響もあると考えられるが、やはり続けていくには苦しい工賃で依頼をされることも多かったのではないかと聞いた。ものを作る人とその技術なくして私たちはものを使うことができないが、その事実はつい忘れられてしまいがちである。(一般社団法人unisteps共同代表=鎌田 安里紗)

arisakamada

鎌田 安里紗(一般社団法人unisteps共同代表)

一般社団法人unisteps共同代表。衣服の生産から廃棄の過程で、自然環境や社会への影響を意識する”エシカルファッション”に関する情報発信を積極的に行い、ファッションブランドとのコラボレーションでの製品企画、衣服の生産地を訪ねるスタディ・ツアーの企画などを行っている。暮らしのちいさな実験室Little Life Labを主宰。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程在籍。環境省「森里川海プロジェクト」アンバサダー。【連載】多様で健康的なファッションの未来を考える

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..