CSRリレーコラム(8)

企業のCSR担当者によるリレーコラムを始めます。参加するのは、12社のCSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第8弾はトヨタ自動車社会貢献推進部共生社会推進室Mobility for Allグループの内山田はるかさんです。

*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
リコージャパン
日本航空
セブン&アイ・ホールディングス
リクルート
千代田化工建設
帝人
トヨタ自動車
ゴールドマンサックス証券
三菱地所
ミツカン
MS&ADインシュアランスグループホールディングス

「行きたいところにトイレがあれば、どこでも自由に出かけられるのにー」。そんな車いす利用者の声を受けて、2019年、動くバリアフリートイレづくり「モバイルトイレプロジェクト」がトヨタの社会貢献推進部で生まれました。(内山田 はるか=トヨタ自動車 社会貢献推進部共生社会推進室Mobility for Allグループ)

人と人をつなぐ社会貢献発の車づくり

欲しいのは、これまでにない、低床かつ快適なトイレカー。まずは、協力者を探しに企画書を持って社内を訪ね歩きました。「トヨタがトイレを作るのか」。会社の理念である「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」に向けた取組みであることを、想いを込めて説明すると、共感してくれる部署が現れました。

さらに社外から株式会社LIXIL様のご協力を得て、着想から約半年、モバイルトイレ製作チームが発足しました。

低い車高、車いすが回転できる広さ、介助者の待合室、見た目のオシャレさ…車いす利用者の声を基に、理想は際限なく膨らみます。ですが、これまでにないモノづくり。介助なく上がれる低床一つをとっても実現は簡単ではありません。本当に残したい価値は何なのか。車いす利用者の声も聞きながら、何度も何度も議論を交わし設計図に落としていきました。

ここからが、トヨタのモノづくりの本領発揮。手に入らない部品は一から作り、足りない知見は部外に協力者を求め、ひとたびゴールが定まると実現に向けて妥協はなしです。2020年に1台、2021年にもう1台、計2台のモバイルトイレが完成しました。どちらも、初めて屋外を走る際はみんなで見守り、「やったぁ!」と歓声があがりました。

開発したモバイルトイレ

実際に利用した車いす利用者からは「こんなトイレがあれば今までできなかったことができる」「もっとたくさん欲しい」との声を頂いています。清潔さ、個室の広さ、大人用のベッド、位置情報や満空表示が確認できるアプリ(2台目のみ試験的に搭載)が好評です。

モバイルトイレを社会に実装していくには、技術面、運用面でも解決しなければならない課題が残っています。それでも、「幸せの量産」というミッションに挑み、「可動性を社会の可能性に変える」というビジョンを掲げるモビリティカンパニーとして、障がいの有無にかかわらず、誰もが行きたい場所に行き、やりたいことに挑戦できる社会の実現に貢献していきたいと考えています。

トヨタニュースリリース(モバイルトイレ1台目)

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