■フロン管理の現場からーRaMS導入事例紹介ー(2)
「20世紀最大の発明の一つ」とも言われたフロン(CFC:クロロフルオロカーボン)は、それまで有毒な冷媒を使っていた冷凍空調機に大きな進歩をもたらした。ところが、そのフロン類がオゾン層を破壊するメカニズムが発見され、世界で規制が進む。日本でも2020年4月施行の改正フロン排出抑制法で、罰則が大幅に強化された。企業はどのようにフロン類を管理していけば良いのか。積極的に課題解決に取り組む企業を紹介する。(聞き手・香川希理=弁護士:企業法務とフロン排出抑制法が専門、記事・オルタナ編集部)
第2回:学校法人慶應義塾
管財部 施設担当 鈴木 健史 課長
聞き手:香川 希理 弁護士(香川総合法律事務所代表)
■フロン排出抑制法 違反は処罰の対象に■
政府は2030年度における温室効果ガス削減目標を、2013年度比の46%減に引き上げた。代替フロンなど4種類のガスに関しても、高い削減目標を設定している。4種類のガスのうち3種類ではすでに目標を達成したものの、HFCに関しては逆に排出が倍増している。業務用冷凍空調機器からのフロン回収目標も、2020年度で50%という設定に対し、実際の回収率は2018年で38%と、目標に届かない。
こうしたことから、2020年にはフロン排出抑制法の罰則を強化した「改正フロン排出抑制法」が制定された。違反すると書類送検や罰金など処罰の対象になる。