SIMの実践は、以下に示す4つのステージと1つの要素から成っている。また4つのステージは、7つのステップに細分化される(第1ステージがStep1〜4に対応する)。各ステージとステップにおいて、事業や取り組みがもたらす変化や価値に関する情報を各種の意思決定や改善に使用することで、ステージを登り、社会的インパクトを螺旋的に向上させていくのである。
4つのステージと1つの要素
第1ステージ:計画 (Plan)
第2ステージ:実行 (Do)
第3ステージ:効果の把握(Assess)
第4ステージ:報告・活用 (Report & Utilize)
すべてのステージを支える要素:組織文化・ガバナンス(Culture & Governance)
7つのステップ
Step 1: 社会的インパクト・マネジメントの目的設定
Step 2: 問題分析と課題の特定(第1ステージ:計画)
Step 3: 戦略策定・検証(第1ステージ:計画)
Step 4: 事業計画と評価計画の策定(第1ステージ:計画)
Step 5: 事業実施とモニタリング(第2ステージ:実行)
Step 6: データ分析(第3ステージ:効果の把握)
Step 7: 報告・活用(第4ステージ:報告・活用)

(3)社会的インパクト・マネジメント原則
企業をはじめとする事業者が社会的インパクト向上を目指すときに、指針にするべき原則をまとめている。特に重要なのは、「ステークホルダーの参加・協働」、「重要性(マテリアリティ)」の原則である。前者は事業活動を通じて解消するべき社会ニーズの特定や目指すべき社会的インパクトの合意形成につながり、後者は事業者が意思決定をするために必須な情報を優先させるということである。
「状況適応性」は今回の改訂で追加された項目であり、内部環境・外部環境の変化に対応するように、柔軟にマネジメントを行っていくことが必要であるというメッセージである。
