社会的価値を見える化「インパクト・マネジメント」とは

記事のポイント


  1. 事業を通じた課題解決への寄与度を測る指標「インパクト」が注目を集める
  2. 政府が掲げる「新しい資本主義」の構想でも評価尺度のひとつに組み込む
  3. 「インパクト測定・マネジメント」は環境や社会への好影響を最大化する

事業の環境や社会への影響を測る「インパクト・マネジメント」を導入する企業が増えてきた。先行するのは、エーザイや丸井グループ、メルカリなどだ。専門家は「インパクト測定・マネジメント」に取り組むためには3つのポイントがあると話す。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

企業からインパクトへの注目度が高まっている

インパクトに対する注目度が高まっている。政府の「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」では、資本主義における評価尺度のひとつに見据える。経団連もこれに呼応して、企業と投資家の社会課題の解決に向けた対話では「インパクト指標を活用し、パーパス起点の対話」を重視する。

企業の取り組みも増えている。エーザイは21年の「価値創造レポート」で人財の価値にフォーカスした従業員インパクト会計を開示。開発途上国に治療薬を無償提供によって創出した社会的インパクトを測る製品インパクト会計も公表する。

メルカリや丸井グループは「インパクトレポート」を発行する。事業活動などを通じて創出した環境・社会に対するポジティブな影響を明らかにしている。

■インパクト測定・マネジメントが最初の一歩に

多くの企業でも事業で創出するインパクトを測定し、開示していくことに関心を持つ。インパクトについて企業向けのコンサルティングを行うトークンエクスプレス(東京・豊島)のセミナーには、多くの企業担当者が参加した。

紺野貴嗣CEOは、企業で環境や社会に対してポジティブな影響の創出に向けて「3つの方法」を提示する。その3つとは、社会課題解決型ビジネスを始めること、インパクトレポートの作成、インパクト投資の検討だ。

これらのいずれに取り組む上でも重要なのが、「インパクト測定・マネジメント(IMM)」だと指摘する。

IMMとは、「インパクト測定」と「インパクトマネジメント」を併せた言葉だ。

社会変革推進財団は、「企業や非営利組織の活動やサービスが、社会や環境に与えた変化や効果を可視化するのが『インパクト測定』、社会的な効果に関する情報にもとづいて事業改善や意思決定を行い、インパクトの向上を志向することが『インパクトマネジメント』」だと定義する。

紺野CEOは「まず実現したいビジョンを具体化して、その実現に向けたどういったアプローチをとるか検討し、そのためのPDCAサイクルを回していくことが重要だ」と話した。

萩原哲郎

萩原 哲郎(オルタナ編集部)

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #ESG

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