世界経済フォーラム(WEF)はこのほど、BP、ネスレなど世界で100社以上の企業が「ガバナンス」「地球」「人」「繁栄」の4つの原則に焦点を当てた「ステークホルダー資本主義指標」を支持し、2020-2021年の50社以上のレポート資料に指標が含まれていると発表した。「株主(シェアホルダー)資本主義」から「ステークホルダー資本主義」への移行がより鮮明になってきた。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

世界経済フォーラムは、経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関であり、ダボス会議は年次総会に当たる。

世界経済フォーラムは2019年8月、国際ビジネス評議会の要請を受け、デロイト、EY、KPMG、PwCと協力して、普遍的な指標と開示を特定し、「ガバナンス」「地球」「人」「繁栄」という4つの原則に焦点を当てたプロジェクトを立ち上げた。

2019年12月、第4次産業革命における企業の普遍的な目的として、「ダボスマニフェスト2020」を公表した。

マニュフェストでは、「企業の目的は、全てのステークホルダーを共有された持続的な価値創造に関与させることであり、このような価値を創造する上で、企業は株主だけでなく従業員、顧客、サプライヤー、地域社会、そして社会全体の全てのステークホルダーに価値を提供する」ことが示されている。

 2020年9月には、「ステークホルダー資本主義の進捗の測定~持続可能な価値創造のための共通の指標と一貫した報告を目指して~」 と題する報告書を公表し、ESGの指標と開示・報告の枠組み(「ステークホルダー資本主義指標」)を発表した。

「ステークホルダー資本主義指標」は、「ガバナンス」「地球」「人」「繁栄」の4つの原則に焦点を当て、21の中核指標(下表参照)と34の拡大指標から構成される。

World Economic Forum作成 *クリックすると拡大します

世界企業では、アリアンツ、バンク・オブ・アメリカ、BP、エリクソン、ハイネケン、HP、IBM、ネスレ、シーメンス、ユニリーバ等90社以上が「ステークホルダー資本主義指標」を支持している。

日本企業では三菱商事、三菱重工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ、SOMPOホールディングス、ソニーグループ、住友商事、三井住友フィナンシャルグループ、サントリーホールディングス、武田薬品が、支持を表明している。