左から、高知かつお漁協組合長・日昇社長の中田勝淑(かつひで)氏、南郷漁協・浅野水産社長の浅野貴浩氏、近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会事務局の鈴木允氏

高知県と宮崎県の漁業者らでつくる近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会が、第3回ジャパン・サステナブルシーフード・アワードでコラボレーション部門チャンピオンに選ばれた。同協議会は発足から約1年半かけて、目標であったMSC認証を取得した。近海の生鮮カツオでの取得は国内に前例がない。漁業者が都道府県を越えて合同で取得したのも日本初である。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

カツオ一本釣り漁業の国内の認証例は過去にもあるが、いずれも船上で魚を冷凍する大型船による漁業である。今回認証されたのは、近場のカツオを生のまま釣って帰る中型船による比較的小規模な漁業で、1隻ではMSC認証費用を賄えないという。

そこで2018年に日本の4県に46隻あった近海カツオ一本釣り漁船が一斉に、MSC認証の模擬試験とも言える予備審査を受けた。その結果、合格ラインと分かったが、全隻の賛同は得られず、一律に認証を得る計画は「空中分解」しそうになった。

この時、MSC(海洋管理協議会)日本事務所のスタッフとして動いた鈴木允(まこと)氏は、この計画をなんとか実現させようと決意。中立を保つため審査内容に立ち入れないMSCの職を辞して、コンサルタントとして独立し、漁業者側に立って取得までの諸手続きをサポートした。

「一本釣りはウミガメや海鳥の混獲もなく、1匹ずつ釣る漁法だから乱獲にもならない。このサステナブルな漁業がMSC認証を取らないなら日本でMSC普及はできないということだと思いました」と鈴木氏は語る。

一本釣り存続のため県ぐるみで活動していた高知の漁業者を核として参加漁船を募り、最終的に高知かつお漁協所属の6隻と、宮崎県の南郷漁協の12隻が、費用を出し合う形でMSC認証の本審査に挑戦し、約1年後の2021年6月にMSC漁業認証を取得した。この取り組みを、本誌の森摂編集長を含む7人のアワード審査員は、「コラボレーションの極み」と評した。

鈴木氏は「小規模漁業者でも集まればMSC認証を取得できることを国内外に示すことができた。回遊魚のカツオの持続可能な漁業には国をまたいだ国際的な資源管理が必須であり、大切なのはこれからです」と表情を引き締めた。

授賞式の様子は、オンラインで公開されている。
https://vimeo.com/613345817

※お詫び:当初の記事(本文の一部)で「宮城県」としていましたが、「宮崎県」に訂正しました。