住友林業など東京五輪の調達基準に違反の疑い

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(米サンフランシスコ)が、住友林業、韓国/インドネシア系複合企業のコリンド・グループなどが、東京五輪の調達基準に違反した疑いがあるとして、11月12日、東京都に通報していたことが分かった。東京五輪の熱帯材の使用については、2018年5月、コリンド社製の非認証型枠合板が東京都が新設した有明アリーナに使用されていたことがNGOの調査で判明しており、住友林業が輸入した製品だった。同団体は、衛星データによる分析でインドネシアの熱帯林の破壊に関与している疑いがあると主張している。(オルタナS編集長=池田 真隆)

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワークが11月25日に発表したリリースは下記の通り。

五輪調達基準違反を東京都に再通報
大会主催者は「持続可能性大会後報告書」で熱帯林破壊の事実を認めよ
〜衛星データ新分析、木材供給企業のサプライヤー9社によるインドネシアの貴重な熱帯林の破壊が明らかに〜

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)は、12日、東京2020大会主催者の一つである東京都に、東京五輪での木材使用に調達基準違反の疑いがあるとして、衛星データによる新分析を根拠に、インドネシアの熱帯林破壊について説明責任を求めて再通報しました(注1)。

通報の目的は、熱帯林破壊の明白な証拠を大会主催者に示し、12月に発表が予定されている大会組織委員会の「持続可能性大会後報告書」に(注2)に、熱帯林破壊の事実を記載するよう求めることです。また、調達の失敗を今後の教訓として公的機関や企業の調達方針に生かすことも提言しました。先日閉幕した国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では、2030年までに森林消失を阻止するという声明に日本も署名しています。

衛星データ(TAN社の例):事業許可地(水色)がオランウータン生息地(斜線)と重なり、五輪への木材供給期間の2016年(紫)と2017年(オレンジ)に森林伐採が起きたことを示している *クリックすると拡大します
M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

執筆記事一覧
キーワード: #SDGs#生物多様性

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..