シン・エナジー(神戸市)と仙北水力発電(秋田県仙北市)は10月14日、秋田県仙北市で取り組む「鶴の湯水力発電所」と「小野草水力発電所」の竣工式を開いた。両発電所は、仙北市内の先達川(せんだつがわ)や小野草沢の未利用の水資源を有効活用した小水力発電所だ。竣工式に出席した仙北水力発電の佐藤育男社長は、「地域の産業として良い起爆剤にしていきたい」と話した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

この事業の特徴は、地域主導で進めることだ。地元出資比率は5割を超えており、地域が主体となって、意思決定を行う。
調査や土木建築、電気工事などは地元企業を最大限活用し、収益の一部を地域振興基金として地域に還元する。同基金は地域課題緩和や田沢湖固有種であったクニマスの復活事業などに充てる。
鶴の湯水力発電所は8月31日から、小野草水力発電所は9月30日から運転を始めた。発電した電力は全量を東北電力に売電する。鶴の湯水力発電所の年間発電量は1591MWh(約490世帯分)で、小野草水力発電所は1994MWh(約610世帯分)だ。
シン・エナジーは再生可能エネルギーのエンジニアリングを手掛ける。エネルギーは「一次産業」と考え、地域にある資源の価値を高める形で、再生可能エネルギーの開発を行っている。