ホテルチェーン大手のヒルトンが、環境への影響を考慮した食材の調達に乗り出す。10月27日、サステナブル・シーフード(持続可能な海産物)の調達で企業2社とパートナーシップを組む覚書を結んだ。同社は2022 年末までに調達するシーフードの25%以上をサステナブルな認証を得た食材にする目標を掲げている。(オルタナ副編集長=山口勉)

花岡和佳男社長(左)、ティモシー・ソーパー代表(中央)、村上春二社長 (c)Ben Yamaguchi

■2030年までに「環境負荷の半減」を目指す

ヒルトンは持続可能な旅行・観光への取り組みとして「トラベル・ウィズ・パーパス」と題したESG(環境・社会・ガバナンス)戦略を2011年から実施している。2030年までの達成を目指す目標の一つに「環境負荷の半減」があり、今回のサステナブル・シーフードの調達もその一環だ。

試食会で提供された料理。全てMSC認証、ASC認証を得た食材 (c)Ben Yamaguchi

同社は日本国内をはじめ、世界各地域の生産現場や海洋環境の持続可能性の向上を目的に、2022 年末までに絶滅危惧種の調達の廃止と、水産物調達量の25%以上をサステナブル・シーフードの認証を得た食材にすることの目標を掲げた。一例として、同ホテルではレストランでのフカヒレの提供を禁止したという。

ヒルトンホテルチェーンの一つ、ヒルトン東京ベイではすでに今年、「海のエコラベル」として知られるMSC(天然水産物)とASC(養殖水産物)の認証を得ている。

MSC、ASCの認証ラベル (c)Ben Yamaguchi

■認証水産物などの情報共有で2社と提携

今回、ヒルトンはサステナブル・シーフードの調達に関して、シーフードレガシー(東京・中央、花岡和佳男社長)とUMITO Partners(ウミトパートナーズ、東京・渋谷、村上春二社長)の2社とパートナーシップを結んだ。

シーフードレガシーは認証水産物に関する情報をヒルトンやサプライヤーと共有し、情報基幹の役割を担う。ウミトパートナーズは、ヒルトンやシーフードレガシーがサステナビリティに取り組んでいる漁業者の生産現場の訪問や情報・動向などの情報共有を行う。

日本・韓国・ミクロネシア地区の運営責任者を務めるティモシー・ソーパー代表は、「世界最大級のホテルチェーンであるヒルトンが地域社会、地球を守るための重要な責任を負うことで、当社がビジネスを展開する地域を常に活気にあふれ、レジリエントで何世代にも渡って旅行者を迎えられるようにしたい」と熱意を語った。