「財団」が持つ社会イノベーションの可能性

「財団法人」という法人があることについて知っている人は多いと思うが、その今の姿や本質的可能性について中々知る機会は少ないのかもしれない。(日本ファンドレイジング協会代表理事=鵜尾 雅隆)

ウィキペデアでの定義を見てみると財団法人とは、「ある特定の個人や企業などの法人から拠出された財産(基本財産)で設立され、これによる金利・配当金及びその他の運用益を主たる事業原資として運営する法人である」となっている。これは間違いではないが、実情としてもそれだけではない様々な可能性がある。

一般のイメージとしても財団と聞くと、特定の誰かの拠出した資産があって、その資金を助成金などでNPOや奨学金などで学生を支援するといったものなのではないかと思う。

しかし、2008年に公益法人改革があって、かつては基本財産3億円以上ないと設立できなかった財団が300万円の基本財産で誰でもつくれるようになったことを受けて、自ら事業を行う事業財団や、300万円の基本財産をあえて300人から1万円ずつ集めて立ち上げるコミュニティ財団など、多様なイニシアチブが生まれてきている。

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鵜尾 雅隆(日本ファンドレイジング協会代表理事)

連載:社会イノベーションとお金の新しい関係 日本ファンドレイジング協会代表理事。国際協力機構、外務省、米国NPOを経て、ファンドレイジング戦略コンサルティング会社ファンドレックス創業。寄付、社会的投資の進む社会を目指して日本ファンドレイジング協会を創設。著書に『ファンドレイジングが社会を変える』など。

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