ドイツ連邦経済・エネルギー省は11月30日と12月1日、「ドイツ・サステナブルファション・シンポジウム」をオンラインで開催した。サステナブル・ファッション分野におけるドイツと日本の先進事例や最新の技術を紹介した。(オルタナ総研事務局長・金子愛子)

ミッキー・オエ社(ドイツ)のアロハシャツ

11月30日はドイツのサステナブルな企業紹介や、日本のファッションデジタル化についての講演を行った。

■3Dモデリング技術でファッションの供給過多を解消
ファッション3Dモデリングのデジタル技術を使い解決を目指しているFMB(東京)の市川雄司社長が「見込み生産・大量生産による供給過多は、環境に多大な負荷を与える。当社は、テクノロジーにより機会ロスや在庫ロス低減を実現し、モデルやタレントのアバター製作、3D空間の制作も可能にした」と講演した。

市川社長は「ファッション産業は水の汚染やCO2排出量など環境への負荷が大きく、そこを解消しないと次世代に引き継げない。いかに産業全体が持続可能性になるかが問われている」と強調した。

■スローファッションにコミット
ストーリー・オブ・マイン社(ドイツ)は、レディースウェア・服飾雑貨のメーカーだ。服に愛着を持って長く愛用する「スローファッション」に力を入れる。製品はすべてサステナブルな繊維を使用。GOTS認証とPeTA認証を取得し、最高水準の設備がそろったポルトガルの生産工場で製造する。

服に付けたQRコードをスキャンするとすべてのサプライチェーンが確認できる。アイテムはシーズンを問わず組み合わせることができ、特定の年齢層にターゲットを絞らない。

■ドイツで作るサステナブルなアロハシャツ
ミッキー・オエ社(ドイツ)はアロハの伝統を大切にし、サステナブルな生産を心掛ける。ベルリン郊外にある伝統的な織物工場で縫製されるアロハシャツは100%ビスコース(レーヨン)を使用し、ボタンには天然のココナッツを使用する。長持ちする製品づくりとスローファッションを目指し、輸送時間の短縮にも取り組む。

12月1日はドイツのパンツ、靴、アクセサリーに焦点を当てたサステナブルな商品紹介、日本市場などについての講演を行った。

■日本の環境ラベル「エコマーク」
日本の環境ラベル「エコマーク」について、日本環境協会エコマーク事務局の平田ゆり恵氏が説明した。

エコマークは、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して、環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる、第三者認証の環境ラベルだ。

消費者が環境に配慮した商品を選択する際の分かりやすい目印であると同時に、企業の環境意識の高さを消費者へ伝えるメッセージにもなる。グリーン調達の判断基準にもなっている。

■伝統あるサステナブルなファッション小物
ロックル社(ドイツ)は1839年創業の老舗ブランドで、レザー手袋やバッグ、スカーフ、各種レザーアイテムなどを製造・販売する。ドイツでデザインし、欧州の自社工場で製造しており、職人たちが伝統的なスキルを振るう。

製品の寿命が長いことで知られ、祖母の時代から引き継いで大事に使っているという顧客の声もある。マネジメント・ディレクターのアネッテ・ロックルさんは「お客様にとってお気に入りの逸品を作り上げたい」と抱負を語った。

■素材にこだわり快適さを追求したシューズ
痛くない快適な靴を見つけられずにいた創業者は、自ら靴を作ることを決意し、1982年にベア社(ドイツ)を設立した。つま先部分に十分なゆとりを確保し、足指をしめつけない独自のデザインは、外反母趾や足の冷えを防ぐ。

厳選したレザーやリサイクル素材を使用し、シューズのリソールも可能だ。製造エネルギーの40%を太陽光発電で賄うほか、あらゆる工程でサステナビリティを追求している。

■バスケットボールのバッグをアップサイクル
バル・デザインズ社(ドイツ)は、使用済みバスケットボールを使ったバッグやポーチを製造している。製品はすべて自社の縫製スタッフによるハンドメイド。品質とサステナビリティを追求したユニークなアイテムがそろう。

モダンでありながら時代にとらわれないデザインで、シーズンごとのファッショントレンドに左右されることなく、長く愛されるアイテムとして人気だという。