ドイツ国内の原子力発電所の運転延長をめぐる問題で、イギリスの環境ニュースサイト「ENDS Europe」は2月28日、社会民主主義勢力が掌握する5州が連邦政府を相手取り、運転延長への反対を連邦憲法裁判所に申し立てたと伝えた。
保守与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が推すメルケル政権は昨年9月、国内17カ所の原子力発電所を2021年までに段階的に閉鎖するとした2002年のシュレーダー政権時代の決定を覆し、原発の寿命を8~14年延長することを閣議承認していた。
ところが2月21日に行われたハンブルク州議会選挙で、CDUは社会民主党(SPD)に惨敗。連邦参議院(上院)で3議席を失い、過半数を割り込む結果となった。今回の申し立てはCDUの下野を視野に入れたものとみられ、現政権が進める「脱・脱原発」政策の行方にも影響が出そうだ。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年3月1日