環境省は4月26日、2030年度までにCO2排出実質ゼロを目指す「脱炭素先行地域」の第一弾として、さいたま市や姫路市など26件(19道府県48自治体)を選定したことを発表した。環境省は、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金200億円(2022年度予算)などを通じて選定地域の脱炭素化を支援する。2030年度までに100カ所の「脱炭素先行地域」づくりを目指す。(オルタナ副編集長=吉田広子)

兵庫県姫路市は姫路城のゼロカーボン化を目指す(提供:姫路市)
兵庫県姫路市は姫路城のゼロカーボン化を目指す(提供:姫路市)

この脱炭素先行地域づくり事業は、「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた地方自治体の取り組みを定めた「地域脱炭素ロードマップ」の一環としてスタートした。「地域脱炭素ロードマップ」では、全国各地に地域脱炭素の取り組みを広げていく「脱炭素ドミノ」を起こすことを目指している。

環境省は2022年1月から2月にかけて「脱炭素先行地域」を募集し、102の地方公共団体から79件の計画提案があった。そのなかから、さいたま市や横浜市、名古屋市、北九州市など26件の計画を選定した。

例えば、兵庫県姫路市は、「姫路城ゼロカーボンキャッスル構想」を掲げ、郊外市有遊休地に太陽光・蓄電池を設置し、オフサイトPPAで再エネ供給を行う。合わせて、文化財保護法の規制がある同区域内で次世代型太陽光の導入可能性を検討するという。EVバス、EVタクシー、FCVタクシーなどに補助を拡充する計画もある。

脱炭素先行地域に選定された地方自治体は、毎年度、取り組みの進捗状況を環境省に報告する必要がある。計画の最終年度末には、取り組み状況や結果を評価して環境省に報告し、評価委員会が最終評価を行う。

環境省大臣官房環境計画課の水嶋周一課長補佐は、「地方環境事務所では、地域脱炭素を支援する体制を強化している。計画づくりの支援事業として補助メニューを用意し、今回選ばれなかった自治体や応募を検討している自治体の支援も並行して行っていく。選定地域だけではなく、全国の自治体の取り組みの伴走支援をしていきたい」と話した。

「脱炭素先行地域」の第一弾として選定された地域は次の通り。

●脱炭素先行地域選定結果(第1回)
・北海道石狩市
・北海道上士幌町
・北海道鹿追町
・宮城県東松島市、一般社団法人東松島みらいとし機構
・秋田県、秋田市
・秋田県大潟村
・埼玉県さいたま市、埼玉大学、芝浦工業大学、東京電力パワーグリッド埼玉総支社
・神奈川県横浜市、一般社団法人横浜みなとみらい21
・神奈川県川崎市、脱炭素アクションみぞのくち推進会議、アマゾンジャパン
・新潟県佐渡市、新潟県
・長野県松本市、大野川区、信州大学
・静岡県静岡市
・愛知県名古屋市、東邦ガス
・滋賀県米原市、滋賀県、ヤンマーホールディングス
・大阪府堺市
・兵庫県姫路市、関西電力
・兵庫県尼崎市、阪神電気鉄道
・兵庫県淡路市、ほくだん、シン・エナジー
・鳥取県米子市、境港市、ローカルエナジー、山陰合同銀行
・島根県邑南町、おおなんきらりエネルギー
・岡山県真庭市
・岡山県西粟倉村、中国銀行、エックス都市研究所、テクノ矢崎
・高知県梼原町
・福岡県北九州市、直方市、行橋市、豊前市、中間市、宮若市、芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町、小竹町、鞍手町、香春町、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町
・熊本県球磨村、球磨村森電力、球磨村森林組合
・鹿児島県知名町、和泊町、リコージャパン、一般社団法人サステナブル経営推進機構