農林水産省は6月1日、職員第1食堂として「あふ食堂」をリニューアルオープンし、有機農産物の取り扱いを拡大した。金子原二郎農林水産大臣は記者会見で「有機農産物を使用するモデルケースとして他省庁に情報提供を行い、他省庁の食堂における有機農産物の使用を促していく」と語った。(オルタナ副編集長=吉田広子)
農水省は2021年5月、「みどりの食料システム戦略」を策定し、有機農業の割合を2050年までに25%(100万ヘクタール)にまで高めるという目標を掲げた。
グリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の見直しの過程で、省庁内の食堂における有機農産物などの使用が配慮事項として追加された。
金子大臣は2022年2月、「農林水産省の食堂においても、率先して有機農産物などの使用を進めるとともに、こうした取り組みを通じて、有機農産物などの需要の拡大、持続的な農林漁業・食品産業の発展につなげてまいりたい」と明言していた。
「あふ食堂」を運営するのは、SANKO MARKETING FOODS(東京・中央)だ。「食の責任官庁 農林水産省」にふさわしい食堂づくりを目指し、国産食材、有機農産物など、環境に配慮した食材、被災地産食材を積極的に使用したメニュー開発を行ってきたという。
「あふ」は、「Agriculture, Forestry, Fisheries and Food 」の頭文字から取り、会ふ(出会う)、和ふ(混ぜ合わせる)、餐ふ(食事のもてなしをする)という意味を込めた。
本食堂には企画用キッチンが併設され、職員とのコラボメニューの提供や産地の付加価値を表現する取り組みを行い、産地の活性化につなげていくという。