これらの動きを包摂的に考えると、サステナビリティの課題は、企業価値を高める事だけではなく、深刻化する社会・環境への影響を軽減する事がそもそもの背景にあるため、両社を含めて開示するダブルマテリアリティベースの経営観と報告が必要になるというのが、筆者の考えです。(中畑陽一)

■GRIとISSBは今年3月に相互連携を打ち出す

その意味では、CSRDやGRI(任意サステナビリティ報告の世界標準)の果たす役割は大きく、実際GRIとISSBは今年3月に相互連携を発表しており、ISSBとGRIの「2つの柱」でサステナビリティ報告基準を打ち立てていく事を表明しています。

ISSBの基準案とCSRDのスタンスの違いはあるにせよ、それらは共通の利益も多くあり、大きく相互依存する関係にあります。特に、情報開示でウォッシュを排除する点は大きな共通便益と言えるでしょう。また、バリューチェーンを対象範囲にしている点も見落としてはいけない点でしょう。(ISSBとESRSの比較表もESRSの補足5にまとめられており参考になります。)

CSRDはEU域内に展開していない企業は関係しないとはいえ、世界中で進むESG投資や開示の進展、GRI含めグローバルルールがより厳格化していく流れからは逃れられないと思われます。

■統合的な経営のかじ取りと報告が必要な時代に