■スコープ3の衝撃(5)
記事のポイント
①「CtoC EC」のGHG算定については、個人間取引は算定の「対象外」
②CtoC EC市場はフリマアプリなど急速に拡大、ユーザー数も増えている
③業界大手メルカリは「低炭素配送」「ゆっくり宅配」などの研究を進める
長期化するコロナ禍でEC利用者が増え、個人間取引を指すCtoC EC市場は堅調に伸びている。フリマアプリなどを運営するプラットフォーマーが鎬を削るが、GHG算定について個人間取引は算定の「対象外」だ。だが、個人間取引が増えている状況に、業界大手のメルカリは「低炭素配送」など独自の研究を進めている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

CtoC ECとは、Consumer to Consumer Eコマースの略称だ。個人間取引を指す。経産省は2016年から国内CtoC ECの市場規模を調査している。2016年には6510億円だったが、2020年には3倍となる1兆9,586億円まで成長した。
この業界の大手は2013年に創業したメルカリだ。同社が今年2月に発表した2022年6月期上半期(2021年7月~12月)の売上高は711億9100万円(対前年同期比47.7%増)で、過去最高だった。
同社が運営するフリマアプリ「メルカリ」のGMV(流通取引総額)は2268億円(前年同期比15%増)、月間アクティブユーザーは2045万人(同13%増)に上り、どちらも過去最高だった。
■ユーザーの取引件数は増えるが、算定の「対象外」
長期化するコロナ禍でEC利用者が増え、個人間取引は堅調に伸びている。メルカリのユーザーの取引も増えてはいるが、実はGHG(温室効果ガス)算定をする際に、ユーザー間の取引は「対象外」だ。