プラ汚染企業調査、コカ・コーラが5年連続ワースト1位に

記事のポイント


  1. 「プラスチック汚染企業調査」の2022年版が発表された
  2. ザ・コカコーラ・カンパニーが5年連続のワースト1位になった
  3. 2位にペプシコ、3位にネスレと続いた

プラスチック汚染の解決を目指す国際ネットワーク「ブレイク・フリー・フロム・プラスチック」はこのほど、「プラスチック汚染企業調査」の2022年版を発表した。同調査では、世界各地のボランティアが海や河川でプラごみを拾い、ブランドごとに集計している。その結果、ザ・コカコーラ・カンパニーが、世界で最も多くプラスチックごみを排出したとして5年連続ワースト1位になった。2位にペプシコ、3位にネスレと続いた。(オルタナ副編集長=吉田広子)

過去5年間で集められた各ブランドのプラごみの数(出典:グリーンピース)
過去5年間で集められた各ブランドのプラごみの数(出典:グリーンピース)

国際環境NGOグリーンピースをはじめ、世界1800以上のNGOなどが参加するネットワーク「ブレイク・フリー・フロム・プラスチック」は2018年から毎年、「プラスチック汚染企業調査」を実施している。2022年は44カ国で1万4760人のボランティアが参加し、42万9994個のプラごみを収拾した。

2022年の調査では、コカ・コーラ社製品のプラごみが3万1000個以上見つかり、2018年の2倍だったという。2021年の数値からは63%増加した。

報告書によると、同組織が過去5年間の調査で収集したプラごみの数は 212万5414個にも上る。アジア太平洋地域が最も多い100万個で、その多くは食べ物や飲み物の容器包装だった。

過去5年間の調査で明らかになったプラスチック汚染企業のトップ10社は、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ、ユニリーバ、モンデリーズ、マーズ、P&G、フィリップ・モリス、ダノン、フェレロだった。

各社とも、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向け、プラスチックの代替やリサイクルなどを進めているものの、実際にはごみとして流出してしまうものも多く、課題は多いようだ。

11月28日からウルグアイで開かれる国連環境会議では、法的拘束力がある国際プラスチック条約の交渉が始まる。2024年までに制定される予定だ。

グリーンピース・メキシコのオーシャン&プラスチック・キャンペーナーであるオルネラ・ガレリ氏は、「プラスチック汚染を作り出した企業は、使い捨てプラスチックを廃止し、2030年までに少なくとも半分の容器包装をリユース可能にしなければならない。さらに、プラスチックの生産と使用を制限する野心的な国際プラスチック条約を支持し、リユース経済への公正な移行を加速させなければならない」とコメントしている。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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