東京発、世界市場を視野に入れたフォールディングバイク

■間違いだらけの自転車選び(29山本修二(自転車ジャーナリスト)

記事のポイント


  1. ブランド誕生秘話
  2. オフィスのデスク下に入るサイズ感
  3. クルマの出番を減らせるオプションも開発

海を自由に泳ぐイルカにも似たやさしいカーブが特徴のフレーム。写真はコンフォート仕様のiruka C

今回の自転車

iruka/iruka C

価格19万9800円(税込み)。iruka(イルカ)には2グレードがあり、iruka Cは内装5段変速、18×1.5インチのタイヤを履いたコンフォートモデル。アップライトなハンドルや、座り心地がいいサドルなど、初めてスポーツ自転車に乗る人にもやさしい仕様。ほかに、内装8段変速、18×1.25インチ仕様のスポーティーモデルiruka S(25万4800円)もある。

カラーは、シルバー、ストームグレー、ブラック、ブルー、レッドの5色。

イルカ https://www.iruka.tokyo/

■理想のフォールディングバイクを求めて

2000年代初頭、インターネット広告大手企業のCFOだった小林正樹さんが、自宅の引っ越しを機にフォールディングバイクを購入。都内を電車よりも速く移動でき、折りたたんでしまえばオフィス内にも置ける利便性に魅了されたという。

しかし、乗り込むにつれフレームの剛性感の低さや、持ち運ぶ際の重量が気になるように。小林さんは、理想のフォールディングバイクを作るために2007年に退社し、自らのフォールディングバイク・ブランド、irukaを起業した。

ハンドル部にナイフ、レバー、スクリューが折りたたまれるソムリエナイフにヒントを得て、開発がスタートした。小林さんは設計図を持ち、世界の自転車産業の中核を担う中国、台湾の工場を巡った。

生産工場が決まると、理想とする折りたたみの構造や走行性能を極めるため、フレームや細部のパーツまでを繰り返し試作。満足できたところで型をおこし、2019年にようやく完成。構想から10年近い年月を経て、市場に送りこんだ。

完全に折りたたんだ状態

■軽快なハンドリングと高い剛性感

irukaに試乗して、まず驚かされたのが高い剛性感だ。フォールディングバイクは、折りたたむ機構をフレームやハンドル下などに配置するのが一般的。その影響で、フレームやハンドルがしなるような不安定なものが多い。

しかし、irukaは、ガッチリかつ気持ちよくスーッと進む。ホイールベースが長く設計されているため直進安定性が高く、小径ホイールによる不安定な感覚は一切ない。コーナリングも軽快で、小気味よくターンを繰り返せた。

走行性能は、スモールホイールながらスポーツバイクそのもの。パシフィックサイクルズのバーディーや、ブロンプトンなど、世界で評価されているフォールディングバイクに肩を並べる洗練された走りを体感できた。

ホイールベースが長いため、安心して気持ちよく走れる。写真はiruka S

■折りたたむための美しきフレームデザイン

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山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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キーワード: #サステナビリティ

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