「マイナンバーカードってどうよ?」(田口ランディ)

記事のポイント


  1. 作家の田口ランディさんが「マイナンバーカード」を申請
  2. 役所では暗証番号の登録にてこずる高齢者が多い
  3. ランディさんは前近代的で不平等な申請制度に疑問を呈する

■エゴからエコへ(71)田口ランディ

法人設立のため銀行口座を開設しようとしたら「個人証明」ができなくなっていた。これまでパスポートで「私は何者か」が証明できたが、私のパスポートは古くて住所記載がないとのこと。

私は車の免許を持っていない。よって「マイナンバーカード」しか個人証明ができないことがわかり、渋々と「マイナンバーカード」を申請した。

さて、約1カ月で「カードができたので取りに行ってください」という通知が来た。役場に行くとやたら人で溢れている。

受け取るだけだからすぐ済むだろうと思って来たが、時間がかかるとのこと。「こちらの用紙に暗証番号を記入してください」と指示される。英字と数字を組み合わせたものと、数字だけの四桁の番号のふたつの暗証番号をその場で考える。

さて、私の住んでいる湯河原町は神奈川県でも一、二を争う高齢化の進んだ町で平均年齢が六十五歳である。役場の中は高齢者で一杯だった。

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田口 ランディ(作家)

作家 東京生まれ。 近刊は地下鉄サリン事件実行犯で昨年に死刑執行された林泰男との14年間の文通・交流をもとに描いた私小説「逆さに吊るされた男」(河出書房新社)

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キーワード: #SDGs

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